2023年6月23日金曜 明け方

眠れない夜、インターネットで初恋の人の名前を検索していた。もう30歳になるというのに。

同業の同級生のインスタのアカウントから同級生らしきアカウントを見つけ出して、そこから数珠繋ぎに続々と同級生のアカウントを発見したが、初恋の人にまで至ることはできなかった。このご時世に本名で公開アカウントを持つような人間ではないことはわかっていたし、その点では安心した。ほとんど話したこともないんだが。

SNSのアカウントは見つからなかったが過去の記事に残る名前から通っていた大学までは見当がついた。我ながら気持ち悪いがそれだけで少し満足できた。

思えば化粧をした顔も見たことがない。どれだけ歳を経たかなんて見当もつかない。苗字は変わったんだろうか。子供もとっくにいるんだろうか。

会ったところで話すこともないし、会いたいとも思わない。けど今どんな風に暮らしてるかが知りたくてたまらない。

小学二年生から7年もの間、やり場のない愛情を抱え続けた。教室で会話に聞き耳を立て、遠目で視界に入れることしかできなかった。ただ奇跡を待つだけだった。奇跡は起きなかった。

格好つけてそそくさと帰った中学の卒業式。あの日一歩踏み出していればなにか変わったんだろうか。